グループディスカッションは与えられたテーマに対して、グループとしてメンバー総意の一つの意見にまとめるものになります。
企業側はそのプロセスを観察しながらグループにおけるコミュニケーション能力やそれぞれの思考、役割などを評価していく選考になります。
そのグループディスカッションですが、大学で実習を行ったときにやけに沈黙の時間が長いグループがありました。
最初も沈黙…途中でも沈黙…
何が起こっていたかというと、彼らは常に自分の「意見」ばかりを発言しようとして沈黙していたのです。
それこそ最初からテーマに対するそれぞれの意見を発言しようとして躓いていました。
「意見」だけが求められているわけではないディスカッション
もともとグループディスカッションで出題されるテーマは、グループで話し合ってこそ意見がまとまるような結構難しいものだったりします。
それをいきなりそれぞれが自分の意見=結論を発言しようというのは、少し無理があるのではないでしょうか?
結果、沈黙になる時間が多かったのだといえます。
そんな時にお勧めしたいのは、グループとして最終的に意見が持てるように、その材料となる「情報」を出し合っていくということです。
話し合いの材料になる「情報」を出し合う大切さ
例えば前述のグループは、そのことをアドバイスした後の2回目のディスカッション(テーマ「学生と社会人の違いとは?」)では見事に実践してくれました。
1回目のディスカッションではグループの中で最も沈黙の多かった学生が、「私のアルバイト先の社員さんは…」と自分の周りの社会人の姿や声を情報として出してくれたのです。
そこから各メンバーも「うちの親は…」「そういえばニュースでも…」と、それぞれが持つ情報を積極的に話してくれ、結果、それらの情報を活かしてグループとしての意見がまとまりました。
そういう意味では個人レベルの動きとしても、知っている情報を出すというかたちでの参加は有効だと思います。
意見が出せない…思いつかない…と焦って黙り込んでしまうのではなく、情報を伝えることで皆が話し合っていくうえでの材料にしていくということ。
メンバーが一つずつそれぞれの意見を言ってどれかを選ぶのではなく、グループだからこそ持ち寄れる様々な情報を集めてグループ総意の意見を生み出す。
それこそグループディスカッションの醍醐味だと思います。