企業研究の大切さを伝えたときに、たまに「もう志望企業は決まっているからいい」なんて声を聞きます。どうやら企業研究は自分が志望企業を決めるためのプロセスだと思っているようです。
もちろんそれも大切なことではありますが、実際には選考場面においても企業研究の成果を発揮すべき場面があります。それが志望動機であり、面接だといえます。
例えば皆さんがもし採用側の人間だとしたら、入社したい自分の願望や自分の夢ばかり動機として語る学生と、企業の一員となり社会で果たすべき役割と強い決意を語る学生とでは、どちらが今後一緒に働く仲間として期待できるでしょうか?
そんな時に毎年差がついているのが本当の意味での企業研究の成果です。
今回は強い志望動機にも発展していく強い企業研究のポイントを私なりにまとめてみました。
知るだけでなく、考えることで差をつけよう
志望動機のなかでは企業研究の成果として企業分析の論述を展開していきます。
志望動機の全体像はこんな感じ。
①自分と企業との接点(どこになぜ興味を持ったか?)⇒②企業分析⇒③入社後の目標・抱負
ここで多くの学生が陥るのが、企業分析の部分が自分の分析・考察ではなく、その企業の強みなど事実の書き写しだけになっているということ。いわゆる自分では何も考えていないわけです。事実は説明会やHPの言葉からいくらでも拾えますからね。
しかし、企業の声は「君がどのように当社を分析しているのか教えてほしい」ということです。
しっかり考察を行ない、自分なりに分析し、自分の考えを述べることで、その他大多数を占める“事実のみ書き写し学生”に差をつけたいですよね。
社会に強くなることで、業界・企業に強くなろう
大局観を持つということ。
社会の動きが業界に影響を与え、業界の動きの中で各企業が他社との差別化戦略を図る。
従って企業分析していくうえでの根拠や背景は社会や業界の動きにあるといえます。
「御社は~な強みがあると思います。なぜならこれからの社会は~に移行すると言われているからです」などと自信を持って言える力をつけたいですね。
自分の意見に対して確固たる根拠が言えること。
ESや面接だけではなく、グループディスカッションにおいても強い武器になります。
大切なのは目的意識、問題解決意識の発揮
強い企業研究や企業分析ができるようになると見えてくるのは、社会や業界の中でその企業がどうあるべきかという課題や問題だと思います。
その課題や問題に対して当事者意識を持って「こうしたい」「これを解決したい」と思えたら、それらを盛り込んだ目的意識や問題解決意識を掲げた志望動機が完成すると思います。
企業が求める学生は、その会社に入りたい学生ではなく、その会社での活躍が期待できる学生です。
だからこそ目的意識や問題解決意識を理由とする志望動機は、単に「好きだから型」の志望動機を何十倍、何百倍も凌駕するといえます。
今回、まとめた強い企業研究の3つのポイントは、皆さんにとって胸を張って企業に臨むことができるためのポイントだと思います。
共通しているのは「知ること」だけでなく、知ったうえで「考える」というステップに進むこと。
ぜひ強い業界・企業研究を実現させてくださいね。