志望動機でまず押さえておきたいのは企業の「どこ」に「なぜ」興味・関心を持ったのか?ということです。
「どこ」というのが企業側の情報だとしたら、「なぜ」が自分側の情報であり、企業と自分とのしっかり紐付けさせる、あるいは企業と自分との接点を示すことが志望動機の基本だといえます。
ここを強調しておきたい背景には、多くの志望動機で企業のどこに興味を持ったというだけのものが多いことにあります。御社のここに興味を持った、御社のここが強みだと思う、なかでも御社はこんなことをやっているなど、その企業の良さをレビューしているだけというものが目立ちます。
企業が知りたいのはなぜこの学生なのかということ
しかし、企業が知りたいのはなぜこの学生が当社なのかという応募学生それぞれの理由(根拠・背景)であり、先のレビュー型は応募者同士似たような内容が多いなかで、なぜということに対してはそれぞれ独自のものがあります。その情報を通じて企業は「当社のここに興味のある学生なのか」以上に「だからこの学生が当社なのか!」と応募学生そのものを知ることができます。
企業は採用活動を通じて、応募学生のことを知りたいのだと考えたときに、志望動機でもしっかり自分自身を知ってもらい、そんな自分に期待してもらえるということを考えていきたいですよね。
ちなみに社会人の転職など中途採用では、自己PRという質問は少なく、その分、志望動機のなかで自分のPRも交えていくことが一般的です。それは社会人ともなれば、企業のレビューや自分の願望を示す志望動機よりも、しっかり「そんな私だからこそ御社だ」ということを示すことの大切さを知っているからだといえます。
学生の皆さんであれば、過去の何かの経験やいま大学で学んでいる分野などを興味・関心の理由(根拠・背景)として示すイメージです。
もちろん無理やり何かの経験と紐付けしようとした結果、こじつけとしか思えないものになっているケースも目立ちますので、自分自身の経験と紐付けできなくても、何かの情報から自分のなかに芽生えた「こうしたい」といった意識なども有効だと思います。その時にはそうした意識が芽生えた経緯はしっかり示したいですね。
いずれにしても志望動機では、ぜひ「そんな私だからこそ御社だ」ということを示し、企業からも「だから君なのか!」と思ってもらえることを意識していきたいですね。